技術領域 / 電磁弁(ソレノイドバルブ)

 電磁弁とは、ソレノイドバルブとも呼ばれ、電磁コイルの磁力によって開け閉めを行う弁です。電動弁がモーターを使って弁の開け閉めを行うのに対して、電磁コイルでプランジャと呼ばれる可動鉄芯を動かすことによって弁を開いたり閉じたりします。応答速度が速いものの、基本として全開か全閉のどちらかしかできませんが、不二工機では電磁コイルの電磁力を制御して流量を制御できるタイプの電磁弁も開発しています。

  働きとして、冷媒の流れを止めるか通すか(二方弁)、方向を変えるか(三方弁・四方弁)という方向制御を行うときに使われます。電磁弁には、通常閉(ノーマルクローズ)のタイプと通常開(ノーマルオープン)のタイプがあります。また、出入り口の圧力差を利用して弁を動かすパイロット式と電磁コイルの磁力のみで直接弁を動かす直動式があります。使用状況に応じて使い分けます。

 不二工機では、膨張弁のアルミ加工技術を応用して、カーエアコン用電磁弁本体をアルミ化。小形軽量化・耐食性の向上を実現した結果、狭いスペースへ取付けが可能となり、ユニットの省スペース化が図れます。さらに静音化技術により、開閉弁の切替え音も抑えた静穏設計となっています。また、コールドチェーン用電磁弁では遮断時のウォーターハンマー対策にも万全を期しています。

 その他、電磁弁の入口側にストレーナを設けたロー付けタイプの電磁弁も開発。弁に異物が挟まることによるトラブルを未然に防止するために、ストレーナにより冷媒中の異物やゴミを分離・排除します。

 また、R410A対応は言うまでもなく、臭化リチウム水溶液を使用する吸収式冷凍機用の電磁弁やエコキュートに代表されるCO2ヒートポンプ用電磁弁も開発。高圧力に対し各部品の強度アップを図った設計により、どのような条件下でも開閉弁動作が確実に行われます。