技術領域 / サーモスタット

 サーモスタットとは温度の変化を検知して加熱または冷却装置の作動をオン・オフする制御装置です。設定温度範囲内に保持するための制御機能や異常高温に陥ったときシステムを停止させる保安機能を果たします。

 サーモスタットは、大きく分けて機械式と電子式があります。機械式は、検出精度は電子式に劣りますが、電源が不要で、構造が簡単なため安価で湿度にも強いというメリットがあります。電子式は、測定温度範囲も広く、きめの細かい制御が可能で、応答性も速いのですが、機械式に比べると高価で湿度に弱いという面もあります。不二工機は、膨張弁の技術を生かした機械式サーモスタットとサーミスタを利用した電子式サーモスタットの両方を生産しています。

 機械式サーモスタットは、現在、制御機能の分野では電子式サーモスタットにとって代われていることは否めませんが、安価であるため二重保護用の保安機能ではまだまだ需要があります。また、湿度や水分に強いという特性を生かし、防滴性能が要求される用途に使われることも多い機種です。特にステンレス鋼を使用して耐蝕性を高めた機種は漁船の冷凍倉庫や海上輸送を伴う冷凍コンテナなどに使用されたりします。不二工機では用途に応じた様々な温度帯の製品をご用意しております。

 高い精度で細かな温度制御ができ、応答性も高い電子式サーモスタットは、デパートやスーパーマーケットなどのプレハブ冷凍・冷蔵庫内蔵ショーケースなどに利用されます。変わったところでは花屋のフラワーケースやすし屋のネタケース、ワインセラーなどにも使われています。高価な商品を保冷していることが多いので、異常高温の場合の警報機能は必要不可欠ともいえます。