技術情報
快適性と省エネを両立させる
不二工機の制御技術
1949年の創業以来、技術力と品質に磨きをかけ、身近な暮らしの快適を損なわず、社会課題である省エネ化を実現することに貢献して参りました。
新しい技術開発にも積極的に取組むだけでなく、近年では通信機能付きのバルブ開発に取組むなど新分野への挑戦も続けています。
当社は「創造技術と信頼の不二工機」として、これからも活躍の場を広げていきます。
冷凍・冷蔵、空調用自動制御機器分野で、圧倒的な世界シェアを誇る不二工機製品
主力製品である
3製品について紹介します。
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膨張弁
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電子リニア
制御弁 -
ドレンポンプ
膨張弁
膨張弁とは
エアコンの冷蔵・冷凍、冷暖房サイクルの内部は、「冷媒」と呼ばれる流体が循環しています。膨張弁はその冷媒の流量をコントロールするキー部品の一つで、最適な状態の冷媒をエバポレータに供給し、エアコンの性能を最大に発揮させます。
カーエアコンは、クルマからエネルギーをもらって動作しているため、膨張弁は燃費の向上にも貢献します。
BOX型膨張弁(以降、V形膨張弁)は、エバポレータ出口の圧力・温度を検知し、弁開度を変化させることで、カーエアコンの状態を適切に保つだけでなく、パワーエレメントを内蔵することで感温筒、均圧管が不要となり、取付性やメンテナンス性が大幅に向上します。V形膨張弁は2024年に累計販売台数が10億台を超える当社の主力製品のひとつとなっています。
膨張弁の優れているところ
- カーエアコンの状態を常に適正な状態に保ち、省エネに貢献
- 膨張弁内に感温機能を内蔵、感温筒、均圧菅削除によりコスト大幅低減
- BOX型形状の採用により、ワンタッチ取付、交換が容易に
膨張弁を知る:取付場所
1980年代後半
現在:V形膨張弁
電子リニア制御弁
電子リニア制御弁とは
エアコンの冷蔵・冷凍、冷暖房サイクルの内部は、「冷媒」と呼ばれる流体が循環しています。その冷媒流量をコントロールするキー部品の一つが「膨張弁」です。
電子リニア制御弁は、ベンの上下運動によりオリフィス部で冷媒流量を制御し、主に冷凍回路の膨張弁として使用されますが、その性能の高さから切替、遮断用としても活用され、冷暖房サイクルでは欠かせない製品となっています。
電動弁の優れているところ
- エアコンのインバータ化(省エネ)を実現する、精密制御
- 超精密制御により、冷媒の膨張、切替、遮断が可能なマルチ機能
- 静音性により、居室内の快適性に貢献
電子リニア制御弁を知る:貢献していること
エアコンは、省エネ性能向上のため、インバータなしの発停運転(ON/OFF)から、インバーターありの連続運転に移行してきています。
このエアコンの制御方式の変更により、電子リニア制御弁への需要が高まっています。
ドレンポンプ
ドレンポンプとは
エアコンの冷房運転時には、仕組上、室内機側にドレン水(凝縮水)が発生してしまいます。
このドレン水がうまく室外に排出できないと、室内機からの水漏れにより部屋の中が水浸しになったり、エアコンの機能が停止してしまいます。
従来、業務用エアコン(パッケージエアコン)においては、床置きタイプが多く普及していましたが、空調設備の占有空間の縮小、空調効率の向上、フロア・居室ごとの個別空調化により、現在では、天井設置タイプが大半を占めています。
この天井設置タイプの業務用エアコンは、居住空間の中央に設置されることが多く、家庭用エアコンのように壁付けされているタイプとは異なるため、ドレン水を壁つたいに屋外へ直接排水ができないことがネックとなります。
ドレンポンプは、このドレン水を室外に排出するために業務用エアコンの室内機に搭載されています。
ドレンポンプの優れているところ
- 排水能力の向上により、居室内中央にエアコン設置が可能となり、快適性、空調効率向上に貢献
- エアコンからの水漏れを防止、快適性に貢献
ドレンポンプを知る:取付場所
天井設置タイプの業務用エアコン(冷房運転時)
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膨張弁
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電子リニア
制御弁 -
ドレンポンプ