カーエアコン、エアコンに代表される温度調節を担う様々な製品の中で、不二工機の製品は活躍しています。多くの製品は車載、空調、冷凍冷蔵の3つの領域で使用されています。

不二工機は、冷暖房に必要な「膨張、蒸発、圧縮、凝縮」の4つの機能の中で「膨張機能」を担う膨張弁メーカーとして創業しました。
創業75年を迎え、現在では、圧力スイッチ・センサー、電磁弁、調整弁、逆止弁、タンクやドレンポンプなど、膨張機能以外を担う冷暖房サイクルの関連機器にも進出し、事業を拡大しています。世界トップシェアの製品を多く保有していますが、カーエアコン用Ⅴ形膨張弁は世界シェア60％超、累計販売台数10億台に到達した当社の主力製品です。

V形膨張弁（VRE）

V形膨張弁は主にガソリン車、ハイブリット車のカーエアコンに搭載する、「冷やす」機能に貢献している製品です。1980年代後半の発売開始、2024年2月には累計販売台数10億台、現在でも年間5,000万台超を販売する世界トップシェアの製品です。

• エバポレータ出口の圧力・温度を検知し、弁開度を変化させる
• エバポレータ出口でちょうど冷媒が蒸発しきる状態をキープできる（冷媒の蒸発潜熱を使って冷房しているので、蒸発しきる状態が最適）

持続可能な社会の実現に向け、空調分野における環境負荷軽減には、不二工機のヒートポンプ製品が重要な役割を担っており、活躍の場を拡げています。

EV・PHVなどのバッテリー車のカーエアコンでは、冷暖房サイクルが複雑となることから、バッテリー車向け製品にはルーム・オフィスエアコン向けの技術・製造ノウハウが必要となり、車両あたりのバルブ使用数も増加します。現在では、バッテリー車にも多くの不二工機製品が搭載され、活躍の場を拡げています。
ルーム・オフィスエアコン領域では、歴史的にガス暖房が利用されていた欧州地域でも、そのエネルギー効率の良さから、急速にヒートポンプの空調市場が拡大しています。また、世界的に環境負荷の低い冷媒への切替が進む中、バルブには、より高度な制御が求められるようになってきており、当社が得意とする「超精密制御、静音化」の技術やノウハウを活かせる市場が拡大しています。

ギア式P形電動弁（PAM/PGM）

当社の独自技術により開発され、2009年より発売を開始したギア式P形電動弁は、従来比約10倍の5,000ステップもの超精密制御を実現しています。超精密制御により、空調の高機能化、省エネ性能向上に貢献しています。